タイトル「 俳優:姜文と息子のお話2 」
こんにちは。
それではさっそく前回の続きです。どうぞ。
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アクス地区の新しい家に着くと、周韻は焦りました。この家は何もなさ過ぎる。庭はもちろん室内も土むき出しの地面。壁は禿げ、家具も古びた木製のもの、電気器具は太陽エネルギーのポットとテレビだけでした。
しかし姜文は、周韻に新しい家具を買わせませんでした。2日目には彼女を飛行機に乗せて北京へと帰しました。優しい母親がいれば、厳しい父親の出る幕はありません。残されたのは父と二人の子供だけ。何もかも父親姜文の言葉が全てなのです。
3日目、二人の子供の苦しい日々が正式に始まりました。
朝6時半、暖かい布団の中から追い出された彼らは、まずすぐに防寒の運動服を着せられ、寝ぼけたまま訓練を受けます。アクス地区は「塞上江南(サザン・フロンティア)」と呼ばれますが、昼と夜の温度差が激しく、二人の息子はぶるぶると震え、本能的に暖かい部屋へ戻ろうとするのでした。
しかし、姜文はそんな彼らの手をつかみ、庭に引っ張り出して言いました。「自分について走ってこい。走れなければ歩いてでもいい、ここを一周したら家に入ってよし」その一周とは大体1000mほどありました。二人の息子がちゃんと走ったのは200m程度で、残りの800mはゼェゼェ言いながら終らせたのでした。
やっと家に戻ると、姜文は暖めたヤギの乳を一人1杯ずつ与えました。アクスでの第1日目にヤギの乳を飲ませたときには、一口飲んだだけで吐き出し、変な味がして飲めないと言った彼らは、2日後のこの時には一気に飲み干すようになっていました。
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今回はここまでです。次回をお楽しみに!